「タイに移住するにはどんな条件が必要?」「ビザはどうやって取るの?」——タイへの移住を検討している方から、こうした質問をよく受けます。
私は東京とバンコクを40年以上行き来してきた者として、タイ移住の実務的な条件をわかりやすくお伝えします。2026年現在の最新情報を元にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること:
- タイ移住に必要な主要ビザの種類と条件
- 年齢・資産・収入別のおすすめビザ
- 移住前に準備すべきこと(金融・保険・書類)
- 移住後の生活で必要な手続き
タイ移住のビザ条件【2026年最新版】
タイに長期滞在するためには、適切なビザが必要です。日本人がタイ長期移住で使える主なビザをまとめます。
リタイアメントビザ(Non-Immigrant Visa OA)
50歳以上の日本人が最もよく使うビザです。条件を満たせば1年ごとに更新できます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 50歳以上 |
| 預金残高(タイ銀行口座) | 80万バーツ以上(約300〜320万円) |
| または月収 | 6.5万バーツ以上(約25万円)/月 |
| または預金+月収の合算 | 組み合わせで条件を満たす |
| 犯罪歴 | なし |
| 健康保険 | 必須(2019年以降) |
注意点として、2019年以降タイ当局に認められた医療保険への加入が必須になっています。日本の健康保険は対象外であるため、専用の海外医療保険に加入する必要があります。
LTRビザ(Long-Term Resident Visa)
タイが2022年に導入した富裕層・専門家向けの長期居住ビザです。10年間有効で、条件は厳しいですが一度取得すると安定します。
| カテゴリ | 主な条件 |
|---|---|
| 裕福な高齢者 | 50歳以上・資産100万ドル以上・年収8万ドル以上 |
| 裕福な外国人 | 資産100万ドル以上・年収8万ドル以上 |
| リモートワーカー | 過去2年間の年収8万ドル以上 |
| 高度人材 | タイ国内企業での就労・専門職資格保有 |
所得条件が高く、多くの日本人にはハードルが高いですが、条件を満たせる方には最もメリットが大きいビザです。
結婚ビザ(Non-Immigrant Visa O)
タイ人配偶者がいる場合に取得できるビザです。年1回更新が必要で、タイ銀行口座に40万バーツ(約155万円)以上の残高が条件です。
タイランドエリートビザ
お金で長期滞在権を買う方法です。費用はプランにより60〜180万円程度で、5〜20年間の滞在が可能です。ビザ条件が他と比べてシンプルで、更新の手間が少ないのが特長です。
| プラン | 有効期間 | 費用 |
|---|---|---|
| Elite Easy Access | 5年 | 約60万円 |
| Elite Superiority Extension | 20年 | 約180万円 |
観光ビザ・ノービザ(短期滞在)
日本人はタイにノービザで最大30日(空路)〜15日(陸路)滞在できます。観光ビザ(TR)を取れば最大60日、延長で最大90日まで滞在できます。ただし、ビザランを繰り返すと入国拒否リスクがあります。
年齢・状況別おすすめビザ
自分の状況に合ったビザを選ぶための参考にしてください。
| 状況 | おすすめビザ | 理由 |
|---|---|---|
| 50歳以上・預金300万円以上 | リタイアメントビザ(Non-OA) | 最も一般的・条件クリアしやすい |
| 50歳以上・タイに預金口座なし | まずエリートビザ検討 | 口座開設の手間なし |
| タイ人配偶者あり | 結婚ビザ | 条件が比較的容易 |
| 高収入・年収8万ドル以上 | LTRビザ | 10年安定・特典多数 |
| 長期滞在費用を一括で払える | タイランドエリートビザ | 更新の手間なし |
タイ移住前に必ず準備すること
ビザ以外にも、移住前に準備しておくべきことがいくつかあります。
1. 海外対応クレジットカードの取得
タイ在住後では、日本の住所がないため日本のクレジットカードを新規作成できません。特に海外旅行保険が付帯しているカードは移住前に必ず作っておくことをおすすめします。
エポスカードは年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するため、タイ移住者の定番カードとして長く愛用されています。
2. 海外医療保険の加入
Non-OAビザの取得にはタイ当局が認める医療保険への加入が必須です。また、タイの私立病院は費用が高額なため、保険なしでは大きなリスクがあります。日本在住のうちに長期対応の医療保険に加入しておきましょう。
3. 海外送金手段の確保
日本の年金・貯蓄をタイバーツに換える手段が必要です。銀行の国際送金は手数料が高く、Wiseなどのフィンテックサービスを使うと手数料を大幅に節約できます。
4. 住民票・年金・税務の手続き
- 住民票の除票(海外転出届)の手続き
- 日本の国民年金・厚生年金の扱い確認
- 海外居住者の確定申告の要否確認
- 日本の銀行口座の維持可否確認(口座によっては解約が必要)
5. タイ銀行口座の開設準備
リタイアメントビザには、タイの銀行に80万バーツ以上の預金が必要です。口座開設はパスポート・ノービザ滞在中に現地で行うか、入国後に観光ビザで滞在中に行うのが一般的です。カシコン銀行(KBank)や Bangkok Bank がよく使われています。
タイ移住後に必要な手続き
90日報告(TM47)
タイに長期滞在する外国人は、90日ごとに現在の住所を入国管理局に報告する義務があります。オンラインでも手続き可能です。これを怠ると罰金(2,000バーツ)が発生します。
ビザの年次更新
リタイアメントビザは毎年更新が必要です。更新時にタイの銀行口座残高証明・保険加入証明・パスポートなどの書類が必要になります。更新手続きはタイの各県入国管理局で行います。
まとめ:タイ移住の条件を整理して計画的に進めよう
タイ移住に必要な条件をまとめます。
| 項目 | 必要なこと |
|---|---|
| ビザ | 年齢・資産に合ったビザを事前に決定 |
| 資金 | 月35万円以上の生活費を賄える収入・資産 |
| クレジットカード | 日本在住のうちに海外旅行保険付きカードを作成 |
| 医療保険 | Non-OAビザ必須・日本在住のうちに加入 |
| 送金手段 | Wise等の低コスト送金手段を確保 |
| 書類手続き | 住民票・年金・税務の整理 |
ビザ取得と並行して、まず海外対応のクレジットカードと医療保険の手配から始めてみましょう。タイ在住後では手続きが困難になるものが多いため、日本にいる間に先手を打つことが重要です。
タイ移住の生活費の実態については、バンコク生活費の現実もあわせてご覧ください。